「きみのともだち」 持田香織さんとの共同作業

* blog  posted at 2:40 / 2010年8月25日

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今日は、わたしの記憶が間違っていなければ、ELTの持田香織さんの2枚目のソロアルバム「niu」の発売日だと思います(たぶん)。

このアルバムの中の1曲をプロデュースするというお話をいただいたのが、6月上旬のことでした。
単なる楽曲提供ではなく、プロデュース。
企画から録音(歌入れ含む)、mix downまで全部やってください。1曲だけ。1曲まるごと。という依頼なのでした。

6月上旬のある日、AQとディレクターのジョニーとマネージャーのロッキーと共に、打ち合わせのためエイベックスを訪れました。

ガラス張りの小さな打ち合わせ室に近づいていくと、持田さんと、マネージャーの大上さんの姿が見えました。
ふたりは、打ち合わせ室の壁に張りつくように立って、並んでこちらを見て笑っていました。
そのたたずまいの珍しさは忘れられません。
ふたりして、先生に立たされてるみたいでした。
なぜ壁に張りついてたのかは、謎です。

持田さんはふわっとした柔らかな空気を身にまとった、静かな、性質のよさそうな女性でした。
(実際とても性質のいい、頭もいい人だということが、一緒に仕事をするうちにわかってきました)
レスポンスに不思議な間があくことがあって、一緒にいると時間の進み方が時々変化しました。
「電気式のからくり人形が後ろで何かしきりに考えてるみたい」だと言ったら、
気に入ったようで、メールの署名に「からくりもちこ」と書いてきました。

打ち合わせで決めたのは、作詞が持田さんで作曲が谷山。
まずわたしが歌詞のテーマを考えてメールで彼女に送り、彼女が歌詞を書いてわたしに送り、
それにわたしが曲をつけてまた送り返す。
で、OKならレコーディング。

テーマは「人形になる」にしました。
他にもいくつか考えましたが、もちこさんがこれを選びました。

何日かして、携帯メールで、長い長い歌詞が送られてきました。
読んで、なんだかすごく感動してしまいました。
シンプルでストレートな表現で、決してレトリックを駆使した達者な歌詞ではないのですが、
思いの力がまっすぐに伝わってくるのでした。

ずいぶん考えて、あれこれ試してもみましたが、
やっぱりもらった歌詞を可能な限り全部、そのままの形で使うことにして、
曲も変にこったものではなくて、歌詞の思いによりそうようなストレートなものにしました。

アレンジはAQにおまかせ。
ミュージシャンは、ギター吉川忠英さん、ベース渡辺等くん、パーカッション山口ともさん、というなじみの人々。
エンジニアも、いつもの田中信一さん。

もちこさんは、レコーディングには全て最初から最後まで立ち合う主義、ということなので、
音録りの時の仮歌も本人に歌ってもらうことにしました。
ボーカルの力がすごく強いので、ミュージシャンの演奏もきっと違ってくると思ったのです。

持田さんの歌は、すばらしいです。
7分もある長い歌で(なにしろ歌詞が長いから)、それを作業のために何度も何度も聴くのですが、
何度聴いてもぜんぜん飽きません。
素直にまっすぐ歌ってるだけなのに、引力が強くて、
気がつくと歌をじっと聴いてしまっています。
AQも同じことを言ってました。
山口ともさんなんか、「歌、すごく素敵です。歌の力にひきつけられます」とわざわざ本人に言いにきました。

しかも、うまい。
もっと切り貼りが必要なのかと思ってたけど、ほとんど歌ったままをまるごと使えました。
切り貼りも、「使えるのを選ぶ」んじゃなくて「よりよいのを選ぶ」ためって感じでした。

楽しい日々でした。
持田さん、初対面の時はおとなしそうな人だと思ったけど、意外におしゃべりだし、
いたずらっぽいところ、辛口なところもあって面白い人でした。
何より、一緒にいてすごくリラックスできる人で、居心地が最高でした。

一緒にいい歌を作れて、嬉しかったです。いい時間を、ありがとう。
「niu」と、持田香織さんの、成功を祈ってます。